《あらすじ》
姉の忘れ形見、五歳児の勇佑と二人で暮らす秋人――その正体は人狼だ。
秋人は由緒正しい獣人族の家系・時信家の次男だが、
姉が人間との間に産んだ勇佑を一族として認めない父や兄に反発し、
大学生の時に家を飛び出して勇佑を一人で育ててきた。
獣人であることを隠しながらずっと不自由な生活をしてきた二人だが、
ある日、商店街にある小さな本屋の店主・蓮見と知り合いになった。
蓮見はエリート商社マンだったが会社を辞め、祖父の営んでいた店を継いだのだという。
そのやさしい笑顔に秋人と勇佑はすっかり心を掴まれてしまう。
いつしか蓮見の家でご馳走になるくらい親しくなり、つい気を許してしまったばかりに人狼であることがバレてしまった。
しかし彼は動じることなく接してくれたばかりか、半獣に変身した秋人を愛でてかわいがってくれて……。
そんな折、秋人のもとに冷徹な兄が突然やってきて……。