≪あらすじ≫
忌むべきオメガだからと幼い頃、森の中に捨てられたリオン。
野獣族の王子ユリアスに保護され森の国で育てられたリオンが、やがて一族にかけられていた呪いを解き、
愛するユリアスの伴侶となってから五年ほどの月日が経った。
二人の間に生まれたリュドも今はもう四歳。彼らは森の国の城で穏やかに暮らしながら、人の国との交流や交易に努めていた。
そんなある日のこと。人の国の長・ユサが亡くなったので速やかに協議をしたいとの知らせが……。
ユリアスが人の国の城に駆けつけると、そこには新しく長となった男、ランスがおり「森の国との交易を直ちに取りやめる」と居丈高に告げられた。
怪しげな頭巾を被り、尊大な態度で「野獣族は嫌いだ」と言い放つ一方でなぜかリオンや息子のリュドに興味を示す、
このランスという男の正体は、そして真意はいったいなんなのか。
不信感を覚えながらもユリアスは、リオンとリュドを伴って再度城を訪れるが……。