加賀美慶人が出身校の北都医大を去り、葛城総合病院のフライトドクターになって三年。 脳神経外科に新しく一人の医師が入った。 岸谷弘貴――慶人の同級生だ。 だが学生時代に言葉を交わしたのは、 慶人が救命救急を目指すきっかけとなる事件が起きたある夏の一日だけ。 優秀で将来有望な岸谷が北都の医局をやめ、なぜこんな遠く離れた病院にやってきたのか。 真相のわからぬまま、慶人は岸谷と急速に仲を深めていくのだが…。