≪あらすじ≫
すべてが中央管理局のシステムによって振り分けられている世界
――そこでは個人の能力や政府への貢献度によって住む場所が分かれ、結婚相手までもシステムが自動でマッチングしてくれる。
食品会社に勤めるカナメは適齢期とされる25歳を迎えマッチング申請をしたのだが、
その日、システムが選んだ相手として現れたのはユウゴという同い年の男性だった。
同性愛者ではないカナメは困惑するが「間違いではない」という管理局からの命令に逆らうことはできず、
マッチングの適否をうかがうために一か月の間、ユウゴと同居する羽目になってしまう。
保育士をしているというユウゴは大柄でおっとりとした優しげな青年。
彼との会話は思いの外楽しくて…だが楽しければ楽しいほどカナメの中で苛立ちが募り、
仕事の忙しさも相まってつい八つ当たりのような言動をとってしまうのだった。
そんなある晩、飲みなれない酒を口にして酔ってしまったカナメは……。