この男はまだ、俺のものだ――。 久しぶりに帰ってきた地元のバス停で、偶然、幼なじみの悠貴と再会した忍。 彼の顔を見た瞬間、血が沸騰するのを感じた。逃げ出したのは自分なのに、どうして……。 積み重ねてきた時間の分だけ、言えないことばかりが増えていく。 苦く、深く、仄かに甘い恋情を重ねゆく先には……。