町外れの廃屋に棲むはちわれ猫のつむぎ。 可愛がってくれたご主人様の家を主亡き後もずっと守り続けているうちに尻尾が割れ、人の姿をとれる猫又になった。 けれどその尻尾は短くて、猫又界では半端者とつま弾き。 ある日のこと、山を切り崩すための調査で尾房と名乗る男がやってきた。 大切な家が壊される!――あの手この手で威嚇するつむぎだったが、 尾房は少しも動じないばかりか「何か思い出すことはないか」とつむぎに迫り…。