男爵月舘家の三男・仁は、人狼という一族の秘密を抱え、 二十年以上も人里離れた山奥の洋館に隔離されて生きてきた。 獣の性である発情に任せて鬱憤を晴らすだけの日々にうんざりしていたある満月の夜、 仁は美貌の死神ランツェフィードに魂を狩られそうになる。 傲岸不遜な相手に興味を惹かれた仁は、からかってやろうと敵である死神を執事兼性欲処理の相手として雇うのだが……。 閉ざされた屋敷の中、主導権を巡っての攻防が始まる。