十一歳の優良はある晩、眩しい光を放つ川に呑み込まれ、 目覚めると異世界の帝国アナトリアにいた。 保護してくれたのは五歳年上の少年――アナトリアの第二皇子エルトゥール。 優良は、数百年に一度現れ国に豊穣と安寧を与えるとともに皇帝の妃となる『神の愛し子』だと巫女に宣言されたものの、特別な力などない。 役立たずの愛し子と周囲から囁かれる優良を、エルトゥールは「俺が妃にする」と守ってくれた。 やがて五年の歳月が流れ…。