パン職人の高鳥詩倫は仕事帰りに車に撥ねられ、 気づくと大草原のど真ん中でならず者たちに襲われていた。 緑と菫色の瞳をもつ儚げな美貌、 そして男であっても能力者を産むことができるという 《神の子》――それが転生した詩倫の姿だった。 そんな詩倫を遊牧民の青年・アルトゥンベックが助け出してくれた。 異世界から来たと言えず記憶を失ったふりをする詩倫だったが、 アルトゥンベックは自分の部族の村へ温かく迎え入れてくれて…。