《あらすじ》
二十歳の新人美容師、丞は転落事故で頭部を強打し記憶障害に陥ってしまった。
それも退行性の記憶障害のため、ここ四年間の記憶がすっぽり抜け落ち、丞は十六歳の頃の丞に戻ってしまっていたのだ。
彼の恋人で、二年前から同棲していた会社員の隆人は、二人の関係も自分のことすらも全く憶えていない、
まさに少年のような丞に恋人同士だったことを告げることができず、
歳の離れたルームシェア仲間として己を紹介し、記憶が戻るまで一緒に暮らすことを提案する。
こうしてなんとも奇妙な同居生活がスタートしてひと月。
夏らしいことをしたいと丞が言いだし、二人はとあるキャンプ場に行くことになった。
だがその場所は、二人が付き合って初めての夏に訪れたところだった。
そして、ふとしたことで丞の記憶の一部が戻りかけて……。