《あらすじ》
瑠依は最先端の技術を駆使して作られた愛玩用アンドロイド――いわゆるセクサロイドだ。
現在のご主人は大富豪の竜前寺剛三。瑠依にとっては父親のような存在でもある、そんな剛三ももう九十二歳。
自分の死期が近いことを覚った剛三は、心優しく甘えん坊な瑠依のために新しい主人を見つけて譲り渡そうとするが、瑠依は最後まで剛三のそばを離れたくないと言う。
それに、屋敷には瑠依の大好きな庭師の岸野隆平もいた。幼い頃にこの屋敷に引き取られてきた隆平は、絵本も読めない瑠依に字を教えてくれた初めての『友だち』。
今ではすっかり凛々しい青年になっていて…彼といると、感情などないはずなのに瑠依はなぜか人間のようにドキドキしてくるのだ。
やがて、屋敷の使用人たちも次々に巣立っていき、寂しくなった屋敷で最後のクリスマスの日が迫る。
剛三のためにプレゼントを用意しようと思い立った瑠依は、こっそり屋敷を抜け出し街へと出かけるのだが…。