《あらすじ》
小国エルスーリアンは隣国からの干渉を阻むため、軍事大国である獣人国オイラッドと同盟を結ぶことになった。
その条件として提示されたのが、王子をひとりオイラッドに送り、向こうの王子と義兄弟の契りを結ぶ…というもの。
こうしてエルスーリアン第三王子のジェレミアは侍従エーリクとともにオイラッドへと赴くことに。
だが、ジェレミアは幼い頃、野良犬に襲われたことがあり犬が大の苦手。
狼に似た獣人が暮らすこの国でうまくやっていくことができるのだろうか…と不安でたまらない。
出迎えてくれたのは第三王子オドゥと第四王子ムング――礼儀正しく理性的なオドゥ、そして押しが強く子供っぽいムング。
どちらも勇敢で優れた戦士だという。さっそく執り行われた両国の同盟締結の調印式の後、
国王から二人のうちのどちらかを選んで契るように言われ、
己はただの人質だと思っていたジェレミアはこれが婚姻であったことを知り、ひどく戸惑うのだが…。