県警の組織犯罪対策課、通称マル暴の刑事、三宅大輔とその情報源のインテリヤクザ、田辺恂二。
田辺の兄貴分である大滝組若頭補佐・岩下周平の情報と引き換えに始まった肉体関係はすでに七年近く続いていた。
そんなある日、大輔は、岩下の『男嫁』佐和紀と交わした約束を果たすため、
田辺を伴って数年ぶりにひとり暮らしの母のもとを訪れる。
二人で母親に挨拶に行け――それが佐和紀の出した条件。
だが「恋人宣言」などできるはずもなく、田辺を友人として紹介する大輔で…。
その夜、実家近くの老舗ホテルに泊まった二人。酔いつぶれた大輔が眠ったあと、田辺はひとり彼の実家へと赴き、
離婚の原因は自分が大輔に横恋慕したからだと母親に告げる。
――刑事とヤクザ…いつの間にか恋愛感情が生まれ、ケジメをつけないといけないものになりつつある関係の、
その行き着く先は…?