
≪あらすじ≫
大学生の水守渉は、従兄の宏明に呼ばれて父の故郷である山奥の村を訪れた。
かつては美しい滝で賑わっていた村も、今は過疎化が進み事実上の廃村となっている。
さらに近年はその滝までもが枯れかけていた。
そんな滝には、昔から龍神が住み、麓の村を守っているという言い伝えがあった。
滝の奥の祠ではかつて龍神祭が行われていたが、それも途絶えて久しい。
枯れかけた滝を再び蘇らせようと、宏明はその祭の復活を計画していたのだ。
『独身で純潔が条件』という神子役を半ば押しつけられた形の渉は、五日間、夜の間だけ祠に籠もることになる。
龍神祭の初日、祠に足を踏み入れた渉の前に突然現れたのは、二人の眷属を従えた本物の龍神だった。
神々しい美貌とは裏腹に、その龍神は自己肯定感が低すぎるポンコツ神で、自分が「人に禍をもたらす醜い神」だと本気で思い込んでいた。
祀る人がいなくなり、力が弱まって滝を守れなくなっているらしく、衰えた神力を取り戻すためには神子の力が必要だと言う。
だが、龍神祭には渉の知らない秘密が隠されていて――。