《あらすじ》
同盟継続のため、隣国エスパニルの王太子アロンソのもとへ嫁いだフロレンス王国のオメガ王子ユベール。
前代未聞の政略婚から五か月――想いが通じ合ってから初めての発情期を迎えたユベールはついにうなじを噛まれ、二人は真の番となった。
ところが、そんな幸せのさなかの二人のもとへ、フロレンス国王が病に倒れ国が存亡の機に瀕しているという知らせが届く。
これまで虐げられてきた民衆が現王太子トリスタンの王位継承に反対して一斉蜂起しているという。
人々が望んでいるのはユベールが母国に戻り王位に就くこと。
だが、ユベールはエスパニル王太子の后の身。
フロレンスの王になれば愛するアロンソと一緒に暮らすことが叶わなくなってしまう。
母国を思う気持ちと愛しい伴侶への想いの板挟みで苦悩するユベールに、アロンソは「二人で最善の道を探そう」と言ってくれて……。