《あらすじ》
秋月紫苑は、外食産業の大手・秋月カンパニー経営者の第一子。
だがオメガであることを理由に虐げられ、屋敷で家政婦のようにこき使われていた。
両親に甘やかされて育ったアルファの妹・凛音には、事あるごとに罵倒され見下される始末。
そんな紫苑の楽しみは、裏庭の離れでお茶を点てること。
亡き祖母との思い出が詰まった離れで過ごすことが、唯一心休まる時間だった。
そんなある日、秋月カンパニー主催の企業交流会パーティーのため、紫苑は一人屋敷の留守番を言いつけられる。
家族がいない間に久しぶりの休暇を……と心踊らせながら茶道具の準備をする紫苑だったが、そこへ一人の青年――九条蒼牙がやってくる。
超有名企業グループの御曹司である彼は、パーティー会場をうっかり間違えて秋月邸を訪れてしまったらしい。
アルファの雰囲気を醸し出しつつもどこか飄々とした蒼牙に、紫苑は「運命の番」のトキメキを感じてしまうのだが……。