《あらすじ》
獣人族の家系、時信家の孫息子・勇佑は、人狼の母が人間との間にもうけたハーフだ。
母亡きあと叔父の秋人とそのパートナーの古書店主・蓮見に愛情いっぱいに育てられてきた。
そんな勇佑も十三歳になり、北海道の大自然の中に建つ全寮制のフィリス学園に入学した。
ここは人狼のみが入れる六年生の学園で英国のパブリックスクールをモデルとし、公用語は英語、外国からの人狼も多かった。
入学式で勇佑は懐かしい相手と再会する。
小学校の途中で転校し以来、音信不通となっていた親友の劉生だ。
すっかり大人びた雰囲気の劉生に、まだ幼さの残る勇佑はドギマギするばかり。
二人は偶然にも寄宿舎で同室だった。
入学して間もなく、学園では「ウルフ&ラビット」という新入生歓迎の催しが開かれることに。
それは広大な森の中、ウルフ役の上級生がラビット役の新入生を探して追いかけ、捕まった生徒は七日間、相手の世話係をするというもの。
劉生とともに逃げ惑う勇佑を、なにかと噂のある上級生が狙っていて…。