安藤真琴は蓮見台高校二年生。
地味顔の男子高生だったが、大好きな兄・誠司の「妹も欲しかった」の一言で女装に目覚め、今では『蓮高のミスDK』の異名を取るほどの人気者。
そんな真琴に、たったひとりだけ嫌悪の目を向ける人物が――怜悧な美貌をもつ『氷の風紀委員長』、三年生の卯城いつかだ。
毎朝、校門前で睨み合うふたり。真面目ないつかにしてみれば、真琴の女装は許せないものに違いない。
そんなある日のこと、電車の中で痴漢に遭っているいつかを真琴が助けるという出来事が…。
だが、その日の真琴は女装姿でなかったため、いつかには真琴が誰かわからない。
とっさに「山田太郎」と名乗った真琴に、いつかは「お礼がしたい」と急接近。
氷の風紀委員長の意外な素顔に胸をときめかせながらも、
自分が本当はいつかに嫌われている<女装男子>であることに複雑な想いをいだく真琴だったが…。