≪あらすじ≫
「ランベルト、僕の騎士、お前は僕の聖域だ」――豊かな自然に恵まれ、昔から魔術がごく自然に根づいているエンデル王国。
第一王子のユージアは、精霊と交信できる力を持っているがゆえに十歳から城の中に幽閉され、自国の未来などを精霊たちから聞く役割を担わされてきた。
国王は精霊の言葉に頼り切り、己で政治を行うことすら放棄している始末だ。
だが精霊との交信儀式では特殊なお香が使用され、その副作用は心身共に疲弊するものだった。
そんなある日のこと、ユージアの食事に毒が盛られるという事件が起こった。
ユージアを失うことを恐れた国王は、国一番の騎士団の団長ランベルトを専属護衛として息子につけた。
精霊王子となる前の幼い頃から憧れの存在であった、凜々しく逞しい騎士ランベルトがつきっきりで護衛をしてくれる。
長い間、孤独に苛まれていたユージアの胸に初めて甘い思いが芽生えていき――。