≪あらすじ≫
ルヴァンヌ王国第三王子で五歳のリュカは、ちょっとしたことですぐにかんしゃくを起こし行儀作法も知らない問題児。
持て余した国王から、友好国であるベルーサ王国で一年間遊学し見識を広めてくるようにと命じられてしまった。
そんなリュカの従者に選ばれたのは厳格な寄宿学校を出て教師を目指していた、いとこに当たる青年・レネ。
二人は海を渡り、「太陽と海の国」と呼ばれるベルーサ王国の王宮で貴賓として世話になることになった。
世話係は第二王子のアレッサンドロ――褐色の肌と豊かな黒髪、野性的な美を放つ彼は気さくで少々破天荒なところがあり、
いきなり二人を港町に案内するという王族らしくない振る舞いも。だが気遣いもできる男で、
リュカが周囲と馴染めるよう頑張るレネを傍でしっかり支えてくれたりもする。
こうして初めはレネ以外とは打ち解けず反抗的だったリュカも少しずつ王太子の子どもたちと仲良くなっていき、
それとともにアレッサンドロとレネの距離も近づいて…。