≪あらすじ≫
必死にバイトして貯めていた学費を弟・一岐のために使われてしまった――。
怒りと絶望で家を飛び出した大学生の由岐は、夜の海に吸い込まれるように足を踏み入れた。
とその時、海の向こうから「お待ちしておりました、漆黒の君」という声とともに大きな銀色の狼が現れ由岐は意識を失う。
そして気づくとファンタジーの世界のような服装をした美形集団に囲まれていた。
なんとそこは魔界。
由岐をこの世界へ連れてきた狼で人型の時は超美麗な側近・ハウルによれば、
百年前、異世界から現れた勇者によって打ち滅ぼされた前代魔王ロメオの生まれ変わりこそが由岐だという。
ロメオ亡き後すっかり荒廃してしまった魔界を救ってほしいと懇願されるのだが、凡人の由岐に魔術が使えるわけもなく途方に暮れるばかり。
さらに、ロメオ不在の間、魔界を牛耳っていた義弟のロイドからは、
魔族の力の源であるラナバの泉を再び噴き出させたら由岐を魔王として認めると言われ、ハウルとともに深い森の奥へと向かうことに……。